難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)を
「業病」と表現した事が問題視され、
作家であり元都知事・元環境庁長官の
石原慎太郎さんのツイートが批判されています。
批判の声は「業病」という表現により
「難病にかかったのはその人の今までの
行いや前世での行いが悪かったからだ」
と言わんとしている。失礼だ!
という意見です。
指摘の通り石原さんが「ALS患者は行いが
悪かったから罰としてALSになった」と
考えていたら、配慮が無い人と思われても
仕方がないと思います。
この記事では
「石原慎太郎けしからん!!」という見方以外に
石原さんのツイートを深堀し、
私達が他人と人間関係を築く上で役立つ
ヒントを探そうと思います。
「業病」という表現が問題視されている
ALSは全身の筋肉が衰えて身体の自由が
無くなる原因不明の難病です。
「身体は不自由になる」一方で
「頭脳の働きは衰えない」ため、
自分の身体が徐々に動かなくなっていく
様子が明確にわかる患者の方の気持ちは
予想を遥かに超えて辛いと思います。
● [解説: ALSとは]
「厳しい病気」「むごい病気」などを
表現する言葉として石原さんは
「業病」を使ったのかもしれません。
しかし、「業病」は下の通り
「前世や過去の行いが悪く、因果応報で
罰として病気になった」という
意味なので、
ALS患者の方を侮辱しているのではないか
と問題視する人が批判を寄せました。
意味: 業病とは
教訓1: 使い慣れない表現 (飾り文句・形容) は避ける
石原さんは「辛い難病」を強調する目的で
「業病」という言葉を使ったと思います。
「業病」の意味を複数の辞書で調べた所…
「悪行の報いでなった難病・重病」の意味も
あるのですが、
純粋に「難病」だけを意味する辞書もありました。
( 石原さんが「業病」をどの様な意味で
使ったかは分かりません )
ともあれ
作家レベルで語彙が豊富でない一般人
(僕も含む) は、日常生活では使わない
「業病」は使わないのが無難でしょう。
[ 類似の炎上例 ]
同時期の炎上例として、太った男性の
容姿を「チーズ牛丼食ってそう」と
表現した動画出演者の発言が炎上しました。
「チーズ牛丼食ってそう」と容姿を揶揄
する事で笑いを取ろうとしたのですが、
動画の主旨とは関係なく、不要な発言でした。
[ 教訓1のまとめ ]
インパクト狙いや協調する目的で
一般人が使い慣れない表現を使うと
使い間違いをして批判される可能性がある

教訓2: 憎い人の失敗や不幸を喜ばない
石原さんがALS患者の方の事を
「(本人の) 悪業の報いだ」と明確に
述べた訳ではありませんが、
このような考えは私達の心の中にも
無い訳ではありません。
(例)
A● 障害を持つ赤ちゃんが生まれた時
お母さんを責める
(又は お母さんが自身を責める)
B● 何となく気に入らない芸能人が
仕事で失敗したり、プライベートで
不幸があると「ざまあみろ」と思う
C● 嫌いな上司や同僚が病気になったり
プライベートで不幸があった時、喜ぶ
AやCの場合ですが、
病気やケガと「過去の行い」は
関連ありません。
それでも、「他人の不幸は蜜の味」という
言葉がある通り、BやCのように
嫌いな人の失敗や不幸は喜びたくなるものです。
(身に覚えがある方もいるのでは…)
[ 教訓2のまとめ ]
病気やケガは過去の行動と関係はありません。
嫌いな人が病気になったからと言って
「過去の行いが悪かったから」と考えるのは
正しくありませんし、
他人の不幸を喜ぶのは「本物の幸福」なのか
疑問です。
↑
( 一時的に嬉しいのは確かですけど )
まとめ
石原慎太郎さんがALSを「業病」と
表現した事が批判されている件から
私達が学べることを2つ挙げてみました。
1● 言葉の素人である一般人は
慣れない修飾語を使うと意味を間違えて
誤解される可能性がある
( 僕も一般人に含まれます )
2● 嫌いな人が病気になったり不幸が
あると、「過去の行いが悪いから」と
考えがちだが、関連はない。
(「他人の不幸は蜜の味」という
考えも良くない )
補足: 石原さんの過去の発言